治水対策に関する中間報告

治水対策特別委員長 池田 徳重

 

長沼町の歴史は、水害との戦いの歴史である。頻発する水害によって、農業生産はもとより、商工業、地域住民の日常生活すら脅かされるほど大きな被害を受け、町の福祉増進及び発展に大きな障害となっている。

このため、治水対策特別委員会では、長沼町の治水対策についての調査、研究を進めてきたところであるが、その結果を次のとおり報告する。

 

1 地勢

長沼町は、石狩平野低地帯のほぼ中央に位置し、平野部の海抜は最低5.5メートル、高い場所でも10メートル未満が大半を占め、起伏状態は大別して、東部の馬追丘陵側の地積約20パーセントが山地丘陵部で、残りの西部約80パーセントが平野部であり、道内屈指の食料供給基地であるとともに、近年は住宅地として良好な環境が保たれている。

平野部を囲むように北に夕張川、南西に千歳川、西に旧夕張川が流れ、旧夕張川は千歳川に合流し、千歳川、夕張川は石狩川に合流し、最終的には長沼町を起点として約60キロメートル先の日本海に注いでいる。

これらの河川は、広大な低平地に沿った形で、超緩勾配のため流速は極めて遅く、大雨時には、石狩川の高い水位の影響を長時間受け、各河川の水位は上昇し、ひとたび破堤すれば町全体に大きな被害を及ぼすものである。

東部の馬追丘陵に降った雨は短時間で平野部に達するが、平野部の傾斜は、北から南に、また東部山麓から西に向かって極めて緩い傾斜となっており、低平地が広がる地形的特性のため、河川及び排水にあっては、大雨時に内水氾濫を起こす。

 

2 治水対策の経緯と現況

有史以来、関係者の努力によって、昭和11年の夕張川新水路をはじめ、各河川の河道掘削、築堤強化、内水排除施設の整備等水害を防ぐための事業が推進され、その成果を挙げてきたが、水害根治には至らなかった。

昭和56年には計画規模を上回る降雨によって甚大な被害を受けたところから、その見直しによって治水事業の促進・強化が図られ、東1線放水路、大学排水機場、南6号排水機場の完成、馬追運河の改修、そして現在、千歳川、旧夕張川、ケヌフチ川の浚渫掘削、支障木伐採等の河道整備及び南6号川の改修並びに南9号川の河川改修調査が進められている。

また、転作畑を多く抱える本町は、耕地の汎用化対策並びに低地帯地域の湛水被害解消が迫られている。

千歳川流域の抜本的治水対策として期待されていた千歳川放水路計画は、流域外での自然環境や漁業などへの影響が大きな課題となり、平成11年に計画中止とされ、これに代わる治水対策を早急に講じるため、国・道の諮問機関として設置された「千歳川流域治水対策全体計画検討委員会」において、新たな治水対策として、「堤防強化(遊水地併用)案」を選択すべきとの提言を行った。

また、平成16年6月に遊水地による洪水調節と併せて、石狩川の高い水位の影響を長時間受けることに対応した堤防整備を図る治水対策が、石狩川水系河川整備基本方針に位置づけられ、現在、国はその基本方針に基づき「石狩川水系千歳川河川整備計画」を策定中である。

 

3 今後の治水対策

水害のない町づくりにあたっては、長沼町をとりまく河川の水位を下げることが大前提である。

今後、石狩川水系の治水事業の促進と併せ、千歳川流域治水対策については、当面の対策として、河道の浚渫掘削等を進める一方、石狩川本川と同等の強度を有する堤防の強化、遊水地群の整備などの抜本的治水対策の早期着工に向け、関係市町はもとより、町民をはじめ、流域住民が一致団結して関係機関に強力に促進を働きかけなければならない。

加えて、改修済みの河川にあっても、導水機能の強化、築堤、樋門及び樋管の安全点検整備並びに自然環境に配慮した河川景観づくりの必要がある。

内水の処理については、湛水被害の解消を図るため、引き続き内水排除施設の更なる充実・強化を図るべく、関係機関に強く働きかけるとともに、河川及び排水の適正な維持管理が必要であることから、住民の河川愛護精神の高揚とあわせて治水事業に対する理解を一層深めていくことが望まれる。

本流域各河川の内外水対策を始めとする治水事業が総合的かつ的確に促進され、憂慮される洪水被害の未然防除に対する具体的な計画が確立する重大な時期にある。

今後とも、治水事業は膨大な費用を要することから、その財源措置を国に対して強く要望しつつ、国、道、町及び地域住民が一丸となって、長年の悲願である洪水根絶に向けた最大の努力を傾注すべき時である。

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